○マス マスはゾンバ高原、ムランジェ山、ニーカ高原にいて、フライやルアーでのフィッシングを楽しむことができる。 ゾンバ高原は全般に標高1500メートル程度で(ピークは2000メートル以上)、古くは政府のマス養殖所があった。日本の援助も入って養殖池を作ったりしたが、最終的には破綻し、現在は民間会社が運営している(写真e)。民間会社は1998年から運営を始め、南アから卵を入れ、一部はゾンバのマスでの繁殖もおこなっている。すでに出荷できる体制になっており、地元のレストランでゾンバのマスを時々見かける。 |
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写真e ゾンバ高原のマス養殖所 2000年撮影 |
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これもチャンボ同様に、一匹でディナーの主役になるような立派な魚は、庶民の口からは遠い。 ゾンバ高原のダム湖(写真f)での釣りは、水を管理しているWater Boardという役所で許可が得られる。Water boardは飲料水の水質管理の立場から、ダムでのゴミ投棄、生活廃水の流入、遊泳を規制している。その一環として釣りも禁止されている。マスの個体数を管理したり、増殖に努めているわけではなく、釣りの許可も責任者の裁量しだいのようだ。 一方、ダムに注ぐ川での釣りは、Department of Forestで鑑札を購入すればいい。こちらは資源管理の面から、禁漁期、鑑札の値段、釣具の種類、など一定の規制が定まっている。 また、上記の民間会社が経営するマス養殖所でも、客にフィッシングをさせる大きな池を2002年には作っていた。これが完成すれば、有料で釣りを楽しむことができる。楽しむ場所はさまざまにあるということだ。 |
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写真f ダム湖 2002年撮影 |
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○釣りの経過 私は、いろいろなきっかけから釣りを2000年に始め、名人の方々にも教えてもらった。糸の結び方も分からないので教えるのも大変だっただろう。ルアーでの釣りを志し、道具もそろえた。ルアーは、重さ1グラムから10グラム程度まで網羅し、それぞれの重さについて色も一通りそろえた。とくに赤と緑はねらい目だと教えられたので、紛失に備えて複数用意した。これ以外にも魚の形をしたミノーを、大きさ別、浮力別にそろえたり、ルアーのなかでも止水用のもの、プラスチックで作った虫ワーム(ソフトルアー)、など買い込んだ。もちろん竿とリールは複数用意だ。 2000〜2001年にはタンザニアとマラウィの湖、海の各所で試みていたが、さっぱりであった。これを「ぼうず」と言ったり「おでこ」と言ったりするらしい。 2002年になって、ゾンバ高原のダム湖でマスを釣ることが出来た(写真g)。21センチと24センチであった。これがアフリカで初めての釣果である。 |
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写真g-1 初の釣果。オスだった 2002年撮影 |
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写真g-2 川がダム湖へ流れ込むポイント 2002年撮影 |
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ゾンバの町に飲料水を供給するダムの湖は、2000年に完成したばかりである。ここでは2001年にも釣りを試みているが不調であった。この時点では水はいっぱいあったが、魚は少なかったのであろう。2001年には釣りの規制はなかったが、2002年にはダム湖での釣りは禁止になっていた。私は2001年と同様に考えていて釣りをおこない、しばらくしたら管理の方に咎められてしまった。これは失敗であった。規則が新設されたのであればやむを得ないので釣りは止めたが、それまでに2匹を釣ることができた。 結局、釣れたときに使用していたのは、5グラムのスプーンで片面が蛍光色に近い赤、もう片面が銀色で、竿はスペアのほうであった。釣果を喜んでいるが、あまり魚と駆け引きした感じではない。ルアーをさまざまに換えて、うまく魚を納得させたのか、じつは何でもひらひらしていればよかったのか、よくわからない。私は凝った道具で釣ったが、同行の方はごく簡単な道具で釣ることができた。 ブランタイヤの町ではさまざまなつり道具が手に入る。リールは5000円までの適当な品質のものだ。タイガーフィッシュを釣るときのワイヤー製のハリスなどもある。ルアーもくるくる回る金属製の羽根がついているもの(スピナー)など、各種ある。ここでのルアーはくすんだ感じに見える。日本で見かけるような、その形と色が美しくて、ルアーだけでも展示しておきたいようなものは見当たらない。しかし、こちらのルアーで十分に役立つのであろう。美しくて眺めていたいルアーは、日本に置いておくか、日本で釣りをするときに使用し、こちらでは、こちらの釣具で楽しむのがいいのかもしれない。 釣りに戻る |
マラウィの魚のまとめ 3/3